照明器具にはいくつかの色の種類があり、色味(色温度)が変わり生活シーンや環境に合わせることは生活の質を向上させるための大切な要素にもなります。
もちろんダウンライトにもいくつかの種類が用意されており、購入・設置の際にもその中の色味(色温度)の選択は重要なポイントの一つです。
そこで、この記事では、ダウンライトを設置する際の色味(色温度)の選択の際に役立つために、色味(色温度)の種類と選び方について、わかりやすく解説してみたいと思います。
ダウンライトの色の種類について
ダウンライトを選ぶ際に、カタログなどに記載されている電球色か温白色か昼白色かなど色選びで悩むことはありませんか?
そこで、各色の色味(色温度)の違い・性質について表1にまとめましたのでぜひ参考にしてください。
表1.照明器具の色温度(色味)の種類・ケルビン・特徴について
種 類 | 単位(ケルビン) | 特 徴 |
---|---|---|
電球色 | 約3000K | 暖色系でオレンジっぽく温かみのある光の色です。 比較的明るさを抑えた落ち着きのある色で、目も疲れにくくリラックスしたい場所にぴったりです。どちらかというと職場ではなくリビングなどに向いている色です。 |
温白色 | 3500K | 2番目に低い色で、電球色と白色の中間の明るさで、やや自然な色合いです 日が昇る1時間くらい前の太陽光に近いイメージの色で、落ち着いた明るい雰囲気の照明に適しています。 |
白色 | 4000K | やや黄色みがかった白色で、 昼白色を使うと明るすぎると感じた場合に向いています。具体的には一般事務所など作業を行う場所に向いており、家庭での読書にも適しています。 |
昼白色 | 5000K | 昼白色とは、人にとって一番太陽の明るさで自然に感じる光の色です。室内はまぶし過ぎず、いきいきとした雰囲気になり、自然な明るさなのでどんな場所にも適しています。オフィスなど昼光色を設置した場合、明るすぎると感じた時には昼白色がおすすめです。 |
昼光色 | 6500K | 昼光色は本記事作成時において、市販されている照明器具でもっとも高い色温度で、曇天空の色とも言われています。また、その特徴は白っぽく青みかかった光の色ですっきりとした印象で、青系の光は脳を覚醒して集中力を高める効果があるとも言われており、事務作業を行うオフィスに向いています。 |
表2.照明器具の色味(色温度)の種類とイメージ図
電球色 | 温白色 | 昼白色 | 昼光色 |
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部屋別のおすすめダウンライトの色味(色温度)
ここでは、それぞれ設置する場所によって、どのような色味(色温度)の種類のダウンライトが適しているかについて以下に記載していきますので、設置の際の参考にしてみてください。
オフィス
オフィスでは快適な作業環境を演出するために最適な色味(色温度)を選ぶ必要性があります。
集中力を高めるためには4000K~5000Kのホワイトを基調として涼しげな色合いの光が向いています。
また、オフィス照明に必要な照度を計算する場合、床面積に対する必要な照度(lx=ルクス)を求める必要があります。
通常、デスクの周辺は500ルクス以上でミーティングルームなどのコミュニケーションの空間には300ルクスが理想的と言われています。
実は物の色は固有の一定の色ではなく、違う組成の光で照らした場合には別の色に見えます。
このように物の見え方に影響を与える光源の性質を『演色性』といいます。
演色性はRaと表記され、平均演色評価数の単位のことで、100に近いほど演色性が高いと判断されます。
照明器具の場合、Ra=80 以上であれば通常使用する場合の色の見え方として問題はないと言われています。
下記はダウンライトのカタログですが、その中にRa(演色性)として記載されています。
※画像をクリックすると拡大します。
さらに、詳しい内容については、以下の動画を参考にしてみてください。
引用元:照明の基礎講座 ⑥ ~演色性と色偏差~(https://channel.panasonic.com/jp/contents/31407)
会議室
一般的に会議室は会議・プレゼンテーション・研修などさまざまな用途に使用される場所です。
大きく分類すれば会議室はオフィスの一部でもありますが、より活動的で集中力を高める場所であり、覚醒作用が高く脳の活動を活発にする高い色温度の昼白色から昼光色(5000K~6500K)が適しています。
リビング
リビングは家族がリラックスして楽しむための空間なので、自然な明るさが適しています。
そんな部屋にはリラックス効果のある電球色(約3000K)がおすすめです。
また、最近多く見受けられるようなお子様がリビングで勉強する機会が多いご家庭の場合には、集中できる温白色(3500K)や昼白色(5000K)が向いています。
後から紹介をしますが、色味(色温度)の調色ができるダウンライトを設置すると使い分けが可能になります。
『一室多灯』というあまり聞き覚えはない言葉かもしれませんが、この言葉は一つの部屋の明かりを複数の照明で構成する方法を表します。
一般的にはリビングや居室の天井の真ん中にシーリングライトなどの照明が1台取り付けられていることが多く、その場合『一室一灯』と呼ばれ、部屋全体を明るくしてくれるので安心感もあります。
さらに快適さを求めるなら、光の色や明るさを統一してしまうだけでなく、必要な場所に灯りをプラスする「一室多灯」がおすすめです。
最近の新築戸建て・マンションなどではLDK(リビング・ダイニング・キッチン)が当たり前になってきており、従来のキッチンやダイニングのみの場合と比較してもその面積(平均約18畳)はかなり広くなっています。
そのような場合には、『一室一灯』よりも『一室多灯』で設置する方が、部屋に光と影の部分を生み出し心地良さも上がります。
そして、生活のシーンに合わせることで照明を付けたり消したりもできるので、省エネの効果も期待できます。
ダイニング
ダインニングで料理を美味しそうに見せてくれる色は、温かみのあるオレンジかかった暖色系の色が適しています。
よりリラックスして食事を楽しむには、電球色(約3000K)のダウンライトが向いています。
朝食や昼食よりもより夕食などに電球色は適しています。
キッチン
キッチンは、基本的には作業する場所なので自然に近い色温度である昼白色(5000K)がおすすめです。
料理をする際に、野菜やお肉、魚類の鮮度は自然な色味の中でしか見極めにくく、そのため細かな作業をするのに昼白色(5000K)はとても適しているからです。
また、先ほどの豆知識でもお伝えしたように、最近の新築住宅はキッチンとリビングが一体のいわゆるLDKレイアウトが主流になっており、その場合には『一室多灯』の考え方が取り入れられています。
子供部屋
まずは、部屋全体を照らせる照明を選ぶことも必要ですが、照明の色も重要です。
子ども部屋の場合、基本的には太陽光に近い昼白色(5000K)が適していると言われています。
もちろん、勉強するとき、部屋でリラックスするときなどシーンによって使い分けができるように、調色機能の付いたダウンライトもおすすめです。
寝室
寝室はもっとも落ち着ける空間として暖色系で落ち着きのある電球色(約3000K)が向いています。
目が疲れにくく、また睡眠の質を高めてくれるメラトニンホルモンをつくる効果もあり、快適な睡眠を得るのに不可欠です。
トイレ
トイレの色味(色温度)は黄色っぽい赤みのある電球色(約3000K)が一般的には向いています。
例えば夜中に目が覚めてトイレにいった場合にも眩しさがなく目にもやさしいです。
ただ、細かい汚れなどに気づきにくいというデメリットもあります。
お子様や高齢者がいる場合には、自然な明るさの昼白色(5000K)も選択肢の一つになります。
洗面所・クローゼット
洗面所は、特に女性の場合にはメイクをする場所でもあり自然光に近い昼白色(5000K)の照明を設置するのが適しています。
また、クローゼットも、服の色目を確認するのに、自然の色味に近い昼白色(5000K)が向いてます。
廊下・階段
家の中でも移動時間の短い廊下や階段などは あまり明るさは必要としないため、落ち着ける電球色(約3000K)が適していると言われています。
ダウンライトのタイプを紹介
ダウンライトを選定し購入する際のポイントである色味(色温度)と同様にどんなタイプのダウンライトを選ぶかも重要になってきます。
ここでは、代表的な2種類のタイプのダウンライトを紹介します。
ベースタイプ
一般的で一番利用頻度が高いダウンライトがベースタイプになります。
リビング、ダイニング、各居室、廊下、トイレなど、住宅のあらゆる場所に設置されています。
ベースライトの場合にはこの後に紹介するユニバーサルタイプと違って光の向きを変えることはできません。
ユニバーサルタイプ
ユニバーサルタイプのダウンライトは光の照射する角度を自由に変えることができる照明器具です。
ユニバーサルタイプは台と電球の部分が二重構造になっており、スポットライトのような感覚で照明部分を可動できます。
土台の部分はトリムと呼ばれ、天井の色や部屋の色調に合わせてさまざまなタイプが準備されています。
照明部分を動かすことで食卓や壁飾り、また絵画などを照らしたり、壁の方向に照射することで間接照明のような洒落た雰囲気を醸し出すことも可能です。
調光・調色機能付きのダウンライトが便利
ダウンライトには明るさを変えられる機能である調光タイプと色味(色温度)を変えられる機能を持つ調色タイプのものがあります。
いずれもリモコンやスイッチなどを操作することで調整が可能です。
調光タイプ
↓↓↓ ダウンライトの調光タイプの変化 ↓↓↓
上記のように明るさを変えることができる照明器具が調光タイプで、リビングや寝室におススメです。
その時の気分や時間帯によって明るさを自分の好みに調整することが可能で、遅い時間になるほど光の強さを落としていくのが一般的です。
また、家族が活発に活動する時間帯にはもっとも明かるくし、就寝時間になるほど明るさを抑えると質の良い睡眠を得ることができます。
調色タイプ
↓↓↓ ダウンライトの調色タイプの変化 ↓↓↓
上記のように色味(色温度)を変えることができる照明器具が調色タイプで、リビングや子供部屋などにおすすめです。
調光タイプと同様にリモコンなどで「昼白色」「温白色」「電球色」などに切り替えが可能で、その生活スタイルに合わせて切り替えて使うことでより心地よさのアップや省エネなどが可能になります。
シンクロ調色ってご存じでしょうか?
2013年よりパナソニック株式会社 エコソリューションズ社が販売している「明るさに合わせて(シンクロして)心地よい光色に変化する照明」で採用されているLED照明です。
明るくすると白い色の光に、明るさを絞ると暖かい色の光になり、明るさと色味(色温度)の心地よいバランスを簡単に再現できるLED照明器具です。
↓↓↓ シンクロ色調の概念図 ↓↓↓
引用元:《用語説明》シンクロ調色とはどのような機能でしょうか。
さらに、詳しい内容については、以下の動画を参考にしてみてください。
引用元:シンクロ調色(https://channel.panasonic.com/jp/contents/15380)
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ダウンライトの選定・販売ページは下記を参照してください。
※ 各メーカーに進みダウンライトを選択してご覧ください。
まとめ
最後に本記事のポイントをまとめます。
① 色味(色温度)は大きく5つに分類される(電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色)
② 電球色はリビングなどの落ち着いた場所や比較的滞在する時間の短い廊下・階段などに向いている
③ 昼白色は自然な明るさでオフィスやキッチンなど作業環境に向いている
④ 昼光色はもっとも白っぽく青みかかった光の色で集中力を要する環境に向いている
⑤ ダウンライトには光の向きが変わらないベースタイプと変えることができるユニバーサルタイプがある
⑥ 一つの空間でも違った環境を演出したい場合には調光・調色タイプがおすすめ