この記事では、誘導灯の点検棒について使い方やそのメリットなどできるだけわかりやすく解説します。
誘導灯の点検棒とは?
点検棒とは誘導灯や非常照明の点検で使用するアイテムです。
そもそも防災照明器具は法令によって、非常時の点灯時間の点検や検査結果の報告をことが義務付けられています。
万が一、火災の際に正常に動作しなかった場合、つまり維持のための点検やメンテナンス等を行わなかった場合には、消防法44条12項により三十万円以下の罰金又は拘留に処すると規定されています。
ただ、通常誘導灯は人が手で届く高さになく高所に設置することが多く、そのままでは点検時に脚立などの足場が必要になってきます。
点検の際に足場を準備する手間と、転倒などのリスクもあります。
図1.従来の防災照明器具の点検イメージ
そんなときに、点検棒を使用すると高さ約3mまでの非常灯・誘導灯の点検スイッチを簡単に操作できます。
誘導灯の維持管理は管理者の義務であり、定期的な点検が必要になりますが、その際にこの点検棒が活躍します。
誘導灯・非常照明の法定点検の詳細ついて
先にも述べている通り、有事の際に誘導灯・非常灯が正常に動作しない場合、大きな事故につながるケースもあり、消防法により点検が義務づけられています。
表1にその内容について記載しておりますので参考にしてください。
表1.誘導灯・非常照明の法定点検について
項目 | 誘導灯 | 非常灯 |
---|---|---|
法令 | 消防法 | 建築基準法 |
点検資格者 | 消防設備士 | 一級または二級建築士 |
定期点検 | 1回/6カ月 | 6カ月から1年の間隔で全国の特定行政庁が定める時期 |
定期報告 | 特定防火対象物:1回/年 そのほか防火対象物 |
|
点検報告義務違反 | 30万円以下の罰金又は拘留 | 100万円以下の罰金 |
是正・改善命令違反 | 30万円以下の罰金又は拘留 | 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
誘導灯の点検棒の使い方
では、ここで紹介する点検棒で何ができるのかを解説していきます。
伸縮が自在でロックと解除が簡単
図2のようにもっとも縮めた時には、わずか265mm。(DLC-HTB180 の場合790mm)
最長時が1,090mm(DLC-HTB180 の場合1,970mm)。
スマホの自撮り棒をイメージしてもらうとよいかもしれません。
図2.点検棒の収納時
また、図3のように左右に回すことで、ロックと解除が簡単に行えます。
点検ボタンを簡単に押せる
誘導灯の点検ボタンは本体の下部にありますが、図4のように点検棒の先端の突起部を使えば、簡単に点検できます。
図3.誘導灯の点検ボタンの検査方法
非常照明の点検スイッチの先端輪部の検査方法
最近の非常照明の点検ではリモコン式のものもありますが、旧式のタイプは図4のように点検のための輪部があり、そこに点検棒の操作部を差し込み点検できます。
図4.非常照明の点検スイッチの検査方法
誘導灯の点検スイッチのひも部の検査方法
誘導灯にも本体からのひもを引くことで点検するタイプのものもあります。図5のように点検棒を使うと簡単に点検が可能です。
図5.誘導灯のひも部の検査方法
なお、さらに非常誘導灯点検棒についてイメージしやすいように動画も用意しましたので参考にしてください。
誘導灯の点検棒のメリット
最初にもお伝えした通り、誘導灯や非常灯は天井などの高い場所に設置されていることケースが多いです。
繰り返しになりますが、点検時には脚立などの足場が必要になります。
その点、点検棒を使えば高所作業の危険を回避でき、脚立や足場などの準備も不要になります。
非常灯・誘導灯の点検スイッチを簡単に操作できる点検棒は、特に防災照明等の保守点検をされる業者様へおすすめです。
各機器の点検ボタンを押す・引っ掛ける・紐を引っ張るなどの動作がこの点検棒一つで可能です。
誘導灯の点検と交換時期について
誘導灯の維持管理は管理者の義務となります。
誘導灯は避難ルートをガイドするという重要な目的で設置されており、その維持管理に関しては、管理者の義務で消防法及び関連法令により、設備の設置維持義務、防火対象者(所有者・管理者等)はその法令に従って、適切な状態を維持することが義務付けられています。
こちらも繰り返しになりますが罰則もあります。
誘導灯の点検や交換時期については以下の記事を参考にしてみてください。
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まとめ
本記事のポイントをまとめます。
① 高所作業のための準備(脚立等)が不要となる
② 足場を作る必要がないので転倒などのリスクを軽減できる
③ さまざまなタイプの誘導灯に対応している
④ 伸縮自在で操作もカンタン!