業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの故障原因を解説【対策も紹介します】

業務用冷凍庫 冷凍ストッカー 故障原因 冷凍ストッカー(冷凍庫)
業務用冷凍庫 冷凍ストッカー 故障

この記事では、業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの故障原因ついて、わかりやすく解説し、その対策方法も紹介していきます。

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーを文字通り業務で利用している場合、中に入れてあった食品等が溶けてしまったら、大きな損失になりますし、お客様に提供できず大きなトラブルにもなりかねません。

「冷凍庫の温度が下がらない」「冷えない」場合、かならずそうなる故障原因があります。

少しでも早くその故障原因を見つけ対処する必要がありますね。

そんなトラブルを予防するため、まずは、業務用冷凍庫/冷凍ストッカーにはどんな故障原因があるのか把握しておきましょう。

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの故障原因と対策

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーが故障する原因は大きく4つあります。

その対策について紹介していきます。

ゴムパッキンの劣化によるもの

業務用冷凍庫 パッキン 隙間

家庭用の冷蔵庫でも同じですが、業務用冷凍庫にもドアの部分に、「パッキン」というゴムが取り付けられています。

このパッキンは冷凍庫に侵入する空気を遮断し、庫内の冷気の流出と外気の侵入を防ぐ役割を持っています。

当然ですが、ドアが完全に閉まっていない状態が続くと庫内の冷気が逃げて温度が上がってしまい食材等の鮮度の劣化を起こしますし、電気代も高くなります。

故障原因

冷凍庫のパッキンが劣化したり剥がれたり歪んでしまったりすると、パッキンがしっかり固定されず冷凍庫内の密閉性が低下します。

また、パッキン部分に汚れが付着することでドアの締まりが悪くなることもあります。

さらに、長期期間の使用により経年劣化し、パッキンが変形し取り付け部分に隙間ができてしっかりと密閉できていないこともあります。

その他にも、故障の原因としてパッキン内部の磁石に問題がある場合なども考えられます。

磁石の問題があるかどうかは、釘などをパッキンに近づけた時にある程度の吸引力があれば問題はありません。

対策方法

パッキンの汚れによる場合には、中性洗剤など使って掃除をするだけで改善する可能性もあります。

経年劣化の場合には、パッキンを交換する方が結果的に電気代も含めて機能改善の早道になりますので、交換を検証してみましょう。

霜の付着によるもの

業務用冷凍庫 故障原因 霜

家庭用の冷凍庫内の壁面などにびっしりと霜が付いたという経験をした人も多いのではないでしょうか。

原因は、冷凍庫のドアの開閉等によって、外の水分を含んだ空気が冷凍庫内に入り込むからです。

故障原因

外気からの水分を含んだ空気の流入、外気と冷凍庫内の温度・湿度の差によって結露が生じ、その水分が冷やされることで霜になります。

冷凍庫に発生した霜を放置していると、ドアが開かなくなったり、また、冷えにくくなることで食品等などが傷んでしまう可能性もあります。

また、冷凍の効率が落ちるために、電気代も高くなってしまいます

対策方法

自動霜取り機能を持たない冷凍庫の場合、長期間使用していると内壁面にできた霜がさらに成長していきます。

霜の除去の目安としては霜の厚みが1センチに達した場合で、付属のヘラで除去しましょう。

また、鋭利なもので霜取りをすると冷却パイプを傷つけ、ガス漏れの原因になることがあるので絶対にしないようにしましょう。

霜取りの際は、必ず本体の電源はOFFに。

-冷凍庫の霜取りの手順-
① 冷凍庫内の食品等を取り出す
② 電源プラグをコンセントから抜く
③ 冷凍庫の扉を開けて付着した霜を溶かす
   ※ 溶けない場合は付属のヘラで除去する
④ 霜が完全に溶けたら庫内の排水栓を外し排水する
⑤ 排水が完了したら排水栓を元に戻す
⑥ 乾いた布等で冷凍庫内の水分を十分にふきとる
⑦ 電源プラグをコンセントに確実に差し込み運転を開始する
⑧ 冷凍庫内の冷却を確認し保管物を入れる

冷凍庫の設置場所によるもの

冷凍庫を十分に冷やすためには、冷凍庫から発生する熱をしっかりと放出する必要があります。

つまり設置場所にも注意が必要です。

故障原因

冷凍庫の内部には管が通っており、この管を冷やすためにガス(冷媒)が入っています。

冷凍庫の仕組み上、熱が発生するわけですが、この熱がうまく放出されない場合、冷凍庫内の温度を下げることができません。

対策方法

冷凍庫内を冷やすために放出される熱をうまく逃がすためには、冷凍庫の周りにある程度の空間を作ることが重要です。

例えば、弊社で取り扱いのあるダイキンの業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの場合でも、図1にように冷凍庫周りにスペースを設けて設置することを推奨しています。

図1.ダイキンの業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの設置位置

業務用冷凍庫 冷凍ストッカー 設置場所

フィルターの目詰まり

上記以外の原因として、コンデンサー部分にあるフィルターが油の汚れやほこりなどで目詰まりを起こして機能が低下することも考えられます。

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの機種にもよりますが、下図のようなタイプの冷凍庫の場合、自分でフィルターについているホコリ等を取り除くことで機能が改善することもあります。

図2.フィルターの目詰まりのイメージ

業務用冷凍庫 フィルター 目詰まり

ただし、弊社で取り扱っているダイキンの業務用冷凍庫/冷凍ストッカーは、全密閉往復式という圧縮機を採用しており機械室の中に冷凍機が入っているため、ほこりなどが入りにくく、フィルターの目詰まりによる不具合が起こることはありません。

業務用冷凍庫/冷凍ストッカー 豆知識

-冷凍の仕組みについて―
せっかくなのでここで冷凍の仕組みについて解説したいと思います

冷凍というと冷蔵庫や冷凍庫のことが思い浮かぶと思いますが、「通常の大気の温度よりも低温にして物を冷やすこと」を一般的に冷凍といいます。

冷凍の仕組みを理解する上で欠かせない知識が「冷凍サイクル」です

冷凍方法には基本的に、融解熱、昇華熱、蒸発熱の3つがありますが、一般的に使用されている冷凍機器は「蒸発熱」を利用して冷凍しています。

この蒸発熱ですが、身近な例で言うと、採血等する際に腕にアルコール消毒をされますが、塗った直後にヒヤッとした経験をしたことはありませんか?

これは体に塗ったアルコールが体温で蒸発し皮膚の表面から熱を奪っているからです。

このように液体が蒸発して気体となるときに周囲の物から熱を奪うという性質を応用して冷凍装置は作られています。

この原理を「冷凍サイクル」といい、具体的には、図3のように「圧縮機」⇒「凝縮器」⇒「膨張弁」⇒「蒸発器」そしてまた、「圧縮機」・・・と繰り返すことで、熱エネルギーを循環させる仕組みで、多くの冷凍機器でこの方法が利用されています。

図3.冷凍サイクルの仕組み

業務用冷凍庫 冷凍ストッカー 冷凍サイクル

ちなみに、この4つの機器の中でも重要な役割を果たしているのが圧縮機です。

冷媒を圧縮する機器にはいくつかのタイプがありますが、ここでは、往復動式の圧縮機のイメージを図4に掲載しておりますので、参考にしてください。

図4.往復動式圧縮機のイメージ

業務用冷凍庫 冷凍ストッカー 圧縮機

※ ダイキンの業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの選定・販売ページは下記を参照してください。

⇒ ダイキン 業務用 冷凍ストッカー(業務用冷凍庫)

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの清掃方法

業務用冷蔵庫/冷凍ストッカーがなるべく故障を起こさないようにする方法で一番簡単な方法は定期的な清掃です。

清掃の際に準備するものは以下の4つ

・中性洗剤
・スポンジ
・布巾
・柔らかい布

フィルターを掃除できるタイプの業務用冷凍庫を使用している場合には、フィルターの清掃も行います。

その他の弊社で取り扱っているタイプであれば、まずは庫内の清掃とパッキン部分の汚れを落とします

併せて、本体の外側のほこりや汚れ等も落とすようしておきましょう。

清掃を定期的に行うことで、パッキンの変形や異常を早く見つけることができるというメリットもあります。

そうすることで、電気代の増加を抑えることにもつながります。

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの電気代については以下の記事を参照してください。

【プロが解説】業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの電気代はどれくらい?
本記事では業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの電気代について解説します。節電方法や弊社で取り扱っているおすすめの業務用冷凍庫/冷凍ストッカーも紹介します。業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの電気代について知りたい方は本記事をご覧ください。

業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの故障を防ぐために正しく安全に使いましょう

以下に業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの使用上のチェックポイントと問題点及び対策方法を掲載しましたので参考にしてください。

※ 各ポイントの枠の右端の∨をクリックして下さい

チェックポイント1:電源コードを加工したり無理に曲げたりひっぱたり束ねない

問題点及び対策方法:電源コードが破損し、感電・火災の原因になるので、加工や無理な使用をしないこと

チェックポイント2:使用を一時中止する際に電源をONのままにしない

問題点及び対策方法:漏電・火災の原因になるので、電源プラグを抜いて元電源を遮断すること

チェックポイント3:製品の中に入らない(特にお子様に注意する)

問題点及び対策方法:中に閉じ込められて窒息の原因になるので、庫内に絶対に入らないように注意すること

チェックポイント4:火気を近づけない

問題点及び対策方法:冷媒に可燃性ガスを使っている場合、火災の原因になるので火気は厳禁

チェックポイント5:異常時(焦げ臭いにおい)にそのまま運転しない

問題点及び対策方法:異常の状態のまま運転すると故障や感電・火災の原因になるので、電源プラグを抜いて元電源を遮断する。

チェックポイント6:保管してはいけないものを庫内に入れない

問題点及び対策方法:保管することで爆発や故障の原因となる
・アルコール、接着剤などの揮発性、引火性のある薬品等
・医薬品や精密機械などの特殊なもの
・瓶や缶類(中身が凍って割れてけがの原因となる

チェックポイント7:保管してはいけない食品等を庫内に入れない

問題点及び対策方法:冷凍食品が溶ける恐れがあるので、温かい食品や常温の食品を保管しない

チェックポイント8:電源プラグを抜いた時はすぐに差し込まない

問題点及び対策方法:すぐに差し込むと圧縮機に負担がかかり一時的に動かなくので5分程度時間を空けてから差し込む

チェックポイント9:ガス漏れに気づいたときの注意点

問題点及び対策方法:爆発や火災の恐れがあるので、製品や電源プラグには手を触れず、窓を空けて換気する

    

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まとめ

本記事のポイントをまとめます。

ポイント業務用冷凍庫/冷凍ストッカーの故障原因と対策のポイント
 ① ゴムパッキンの劣化によるもの ⇒ 掃除 及び 交換をする
 ② 霜の付着によるもの ⇒ 霜の除去をする
 ③ 設置個所によるもの ⇒ 熱の放出できる空間を確保する
 ④ フィルターの詰まりによるもの ⇒ ホコリ等を取り除く
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